クラウドリアルティ イノベーションを社会実装していくための「クリエイティブ」の捉え方/採択企業インタビュー

2019.02.15

電通と多彩なメンター陣による、スタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」。3月開催予定のデモデイに向けて、1月より第1期のメンタリングが行われている。

並行し、第1期採択企業へのインタビューをスタート。事業内容や当プログラムにおける目標などを聞いていく。今回は不動産に特化したP2P型の直接金融プラットフォーム「Crowd Realty」を運営する株式会社クラウドリアルティ。代表取締役 鬼頭武嗣に、後編では、「クリエイティブ」に対する考え方や「GRASSHOPPER」への意気込みなどを聞いた。

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まっさらな状態から新しいスキームやルールをつくる

–GRASSHOPPERへの応募のきっかけを教えてください。

鬼頭:大きなビジョンを実現していく中で、これまでもクリエイティブに動いているつもりでいますが、メンターであるクリエイターの方達とどういうコラボが生まれるのか、彼らから解釈してもらった時にどういうデザインやコミュニケーションの仕方があるのか、など新たな発見ができると面白いなと思いました。いろんな観点でディスカッションしてみたいです。

–今までの中で、クリエイティブの考え方が大事だと感じた局面や事例があれば教えてください。

鬼頭:実は至るころにあります。例えば、スキーム自体を自分たちでクリエイトしている点です。日本にすでにある不動産証券化やクラウドファンディングのスキームの多くは、ある種、国が定めているスキームなんですよね。「こういう手順やルールにしたがってやれば、規制当局からはOKをもらえる」というスキームを使っているのです。

クラウドリアルティはそうではなく、法規制やその根底にある原理原則の中でやってはいけないことは全部外した上で、ユーザーの利益を最大化させるために、まっさらな状態から新しいスキームやルールをつくるという発想でやっています。

そういったスキームやプラットフォームレベルのものから、個々のプロジェクトの現場に関わるようなものまで、ありとあらゆるところで、新しいものを作っていくためにクリエイティビティが必要だなと感じます。

–社内でもクリエイティブに関する考え方については浸透させていきたいですか?

鬼頭:スタートアップは、とにかくいろんなところでクリエイトしなければいけませんから、なるべく組織のカルチャーとしても浸透させていきたいな、という思いが強いですね。

「共鳴」を目指すことと、いろんな立場から考えること

–実際に新しいものをクリエイトする際に意識していることを教えてください。

鬼頭:一つキーワードとして明確にしているのは「共鳴」です。共鳴は一人ではできないですし、二つ以上の波があって初めて起こりますよね。共鳴を起こすためには、まず自分が発信し、相手を受け止める、といったコミュニケーションが必要です。社内外問わず、いろんな人と、いろんなところで「共鳴を作ろう」と意識しています。

また、いろんな立場に立って物事を考え、物事の本質や、何が手段で何が目的なのかとずっと考えるようにしています。それにより思考のメタ度・抽象度は上がっていくので、不動産業界、建築業界に限らず、様々な業界のイノベーターとの議論にも発展したりします。

先日はモビリティ領域でパネルディスカッションをして次世代のモビリティに関するデータ活用について話しました。金融を「お金」だけで捉えてしまうとそこから先の議論は進まないのですが、価値交換と捉えると他の業界の方々とも通じるところがあり、議論に繋がっていくんです。クリエイティブとは新しいものを作っていくこと、新しい解釈を作っていくことの全てだと思います。

–いわゆる広告・宣伝という側面ではいかがでしょうか。

鬼頭:まだ本格的には展開していません。クラウドリアルティはP2Pのプラットフォームを運営しているので、本当は我々が前面に立って宣伝すべきではないとも思っています。主役は起案者の方々や出資をする方々ですので、彼らがどうメッセージを伝えていくかというところから、コミュニケーションのありかたをデザインしていくという考え方です。

–Crowd Realty上での工夫として意識されている点はありますか?

鬼頭:わかりやすく伝えたい一方で様々なルールがあります。例えば金融商品に投資する際には様々な開示情報を見ることになりますが、世の中の多くの人は読み飛ばしてしまっていると思うんです。ちゃんと理解されていないところ、伝わっていないところがあるので、そこは伝え方で変えられることがあれば変えていきたいと思ってやっています。

–GRASSHOPPERに参加後の目標はありますか?

鬼頭:様々なメンターの方や、電通のプロデューサーの方、様々な企業の方と接点ができるいい機会だと思います。今はとにかく、どんな人がどんな関心をもっているのか、どういうところで自分のやりたいことを実現しようとしているのかを知りたいです。共鳴してすぐ実現することもあれば、実現まで時間がかかることもあると思いますが、一つ一つ向き合って面白いことができればいいなと思います。

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Interview & Text:市來孝人