エドガ VRを扱うが「VRの会社ではない」理由は/採択企業インタビュー

2019.02.20

電通と多彩なメンター陣による、スタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」。3月開催予定のデモデイに向けて、1月より第1期のメンタリングが行われている。

並行し、第1期採択企業へのインタビューをスタート。事業内容や当プログラムにおける目標などを聞いていく。今回はVR技術を用いた従業員教育システムやコンテンツの開発を行う、株式会社エドガ CEO米本大河。後編では他社との差別化ポイントや、「GRASSHOPPER」への期待について聞いた。

前編はこちら

今この瞬間、目の前にある現実をより豊かにしたい

–前編では事業内容について聞きましたが、VRを扱う他の企業との違いは何ですか?

米本:そもそも自分たちはVRの会社ではなく、「三次元革命」の会社であり、VRやARに代表される三次元技術で現実を豊かにするクリエイティブ集団だと思っています。もし、「VR会社」として切り分けて他企業と比較されるとしたら、VRの価値に対する根本思想が違うかなと。

現状VRというと、現実から目をそらして逃げ込んだり、現実を忘れるためのツールとして利用されるケースが多く、そうしたイメージも広がっていますが、それは違う、と考えています。最も重要なのは「今」、この現実です。

私たちは、三次元のテクノロジーを使って、今この瞬間、目の前にある現実をより豊かにしたい、そう強く思っています。VRで何かを学ぶ、VRで何かを体験することで実生活が豊かになったり、幸せ度数が上がるとか、仮想現実から現実にどうポジティブな影響をもたらすのかとか。そういったことを大事にしながら、今は研修トレーニングというテーマに取り組んでいます。

–VRの課題の一つが、デバイスの普及だと思うのですが、その点についてはどう考えていますか?

米本:確かに現状は普及していませんが、本質的な課題はデバイスの認知とか価格ではなく、VR自体が現状まだ、世の中にとって必要性の高い価値をつくることができていないことだと考えます。これがないと不便だな、あった方がいいなという高い価値のあるものが生まれれば、必然的にデバイスも普及すると思います。

–今回参加するGRASSHOPPERプログラムに期待することを教えてください。

米本:技術先行の会社ということで、これまではアジャイル的にプロトタイプをバンバン開発して企業に見せる、といったことをやってきたのですが、今後は欧米の事例のように、より大きな企業と提携していきたいと考えています。

そうした時にGRASSHOPPERに期待していることは大きく二つで、一つは、日本を代表するナショナルクライアントとVRを活用した新しい取り組みができるような企業になっていくために、現状足りない課題を洗い出すこと。もう一つは、ブランディングやマーケティングが強化され、クライアントに対する提案力が高まってきたタイミングで、電通さんの持つネットワークやビジネスアセットを活用して、ビッグディールにつなげたいということです。

–GRASSHOPPERは「クリエイティブ」をテーマとしていますが、日頃クリエイティブに対して、どのような課題意識を持っていますか?

米本:もともと会社のメンバーがエンジニア主体なので、プロのクリエイティブがいないということが課題ではありますが、私にとってこの会社で大事にしたいクリエイティブとは、「感動」です。自分がこの世界に飛び込んできたのも、感動がきっかけでした。

VRほど人に驚きや笑顔をもたらすツールはないと思っています。そんなVRの持つ臨場感、感動をもたらす瞬間を、いかに長く続く生活価値として落とし込んでいくかということこそ、私たちのクリエイティブにおけるテーマです。

前編はこちら

Interview & Text:長島龍大
Edit:市來孝人