「トラベルテック」分野の課題をレコメンドエンジンで解決 WithTravel/採択企業インタビュー

2019.02.18

電通と多彩なメンター陣による、スタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」。3月開催予定のデモデイに向けて、1月より第1期のメンタリングが行われている。

並行し、第1期採択企業へのインタビューをスタート、事業内容や当プログラムにおける目標などを聞いていく。今回は旅行者向けの宿泊施設検索を軸にトラベルレコメンドエンジンを提供する、株式会社 WithTravel 代表取締役社長兼CEO 春山佳久。

前編では事業内容や、今後のアジアでの展開、立ち上げたきっかけなどについて聞いた。

後編はこちら

旅行会社と旅行者の相互コミュケーション密度を高めていきたい

-—まずは、WithTravelの業務内容を教えてください。

春山:WithTravelは「トラベルテック」の会社です。旅行者が旅行前、旅行中、旅行後すべてで直面する様々な問題をテクノロジーで解決していきたいと考えています。

具体的な内容としては、旅行者に合った最適な旅先のおすすめや、予算と旅先に応じた最適な航空券と宿泊施設のおすすめを提供します。使えば使うほど自分好みの旅先や宿泊施設を紹介してくれるといった、旅行者にとって最適な旅のおすすめを、初期リリースでは提供予定です。

中には特定のマイレージをためている方もいますし、宿泊施設の選び方も旅行者それぞれに選択の仕方があります。それらを学習しながら、その方に合ったおすすめをすることで、旅行体験の満足度をWithTravelでトータルに高めていきたいと考えています。

–ベンチマークとしているサービスはありますか?

春山:アメリカの「Hopper」をベンチマークとしていますが、WithTravelでは旅行会社と旅行者の相互コミュケーション密度を高めていきたいと思っています。趣味の旅行や出張のある程度のめどが立った時にWithTravelに登録しておくと、宿泊費が最安値のタイミングでプッシュ通知される、知らなかった自分好みのホテルが提案されるというような嬉しい発見、お得な体験を提供できるようなサービスを目指していきたいです。

–特に利用していただきたい層はどのような方なのでしょうか?

春山:ペルソナとしてはシンガポール在住28歳「リン」さんという女性を掲げています。デジタル・ネイティブで友達とたくさん旅をし、その際にもっと賢く旅行計画を立てたいと考えている女性です。これから東南アジアでは中間所得層の増加により旅行者が増えていきます。また東南アジアでは近隣諸国を数時間で移動しやすく、旅行の機会も増えると想定しており、「リン」さんに喜んでもらえるサービスを目指すことが多くの旅行者に喜んでもらえるサービスに繋がると考えています。

–WithTravelのテクノロジーはどの点が強みになるのでしょうか?

春山:宿泊施設同士の類似度データを取るとともに、外的要因として近隣イベント情報などもデータとして入れています。例えば人気アーティストのライブなどが旅行目的地で開催される際には宿泊料金が上がりますよね。ただ、通常の旅行サイトだと何が外的要因として値上がりするのかが見えないので、WithTravelではどのホテルの近隣でいつどのようなイベントがあり、それが宿泊費にどのような影響を及ぼすのかについて、日本を含めたアジアのデータ3,200万/日 データポイントをためながら機械学習を使い、予測精度を高めていっています。

–なぜこのようなサービスを思いついたのでしょうか?

春山:前職でタイ出張の際に、現地の王族行事の影響で定宿ホテルが2.5倍の金額に跳ね上がっていました。その状況がわかっていれば時期をずらすか宿を変えるかを判断できたと思ったのです。事前に豊富な選択肢(時期や代替ホテル)を提供してくれる旅行サービスは世界中で求められるとその時感じ、WithTravelを立ち上げました。

–今後の予定を教えてください。

春山:3月に新機能をリリースします。また、シンガポールに子会社を設立し、東南アジアに展開させていく予定です。まだスタートアップのステージとしてはゼロに等しいのですが、GRASSHOPPERメンタリングと3月27日のお披露目デモデイを活用し、大きくジャンプさせたいと考えています。

–春山さんの野望も教えてください。

春山:WithTravelでの経験を元に将来は投資家になりたいと思っています。現在はスタートアップとしてWithTravelで旅行のレコメンドエンジンに集中していますが、投資家として多岐にわたる旅行サービスを支援することにより世の中を良くしていきたいと考えています。米国に「VC Travel」という旅行に特化した投資家チームがいるので、彼らを目標としています。大好きな旅行で日本だけではなく世界を幸せにしていけるよう、スタートアップから投資家へ、日本からアジア、世界へ、垣根を越えて活躍できる人物になりたいと考えております。

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Interview & Text:西村真里子
Edit:市來孝人