WithTravel ローンチ前から「クリエイティブ」を重視する理由/採択企業インタビュー

2019.02.18

電通と多彩なメンター陣による、スタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」。3月開催予定のデモデイに向けて、1月より第1期のメンタリングが行われている。

並行し、第1期採択企業へのインタビューをスタート、事業内容や当プログラムにおける目標などを聞いていく。今回は旅行者向けの宿泊施設検索を軸にトラベルレコメンドエンジンを提供する、株式会社 WithTravel 代表取締役社長兼CEO 春山佳久。

後編では「GRASSHOPPER」プログラムに期待することや、クリエイティブ面での取り組みを聞いた。

前編はこちら

阿吽の呼吸はチームとしては最高だが、ユーザー体験を作る上ではネックに

–スタートアップとしてGRASSHOPPERに期待することを教えてください。

春山:現在、中心に行っているのは宿泊施設のレコメンドエンジンの開発なのですが、この「レコメンドエンジン」という言葉自体を、もっとイメージしやすい言葉に置き換えていきたいと思っています。作っている側では伝わりやすくても、サービスを使って頂く旅行者にとっては「レコメンドエンジンって一体なんだ? わかりづらい…」と思われますよね? サービス内容も、それを表すキャッチコピーも含めて、旅行者にとって親しみやすく、どんなサービスなのかが一言でわかる言葉を決めたくて、GRASSHOPPERに応募しました。

このようなテクノロジー視点を一般消費者視点・生活者視点に変換する作業は最小人数で行っているスタートアップ自らで行うのはとても難しく、第三者として意見を言ってくださる方が必要です。GRASSHOPPERで電通はじめ日本トップクラスのクリエイター視点が入るのは本当にありがたいと考えています。

作り手の視点である「レコメンドエンジン作っています」を、どうしたら旅行者にとって嬉しい機能だけに絞ることができるのか?そして実際にユーザーがタッチするUI/UXをどのように作るのか?GRASSHOPPERでブラッシュアップしていきたいです。

また、収益が上がった後のマスへのプロモーション戦略も支援してもらいたいと考えており、スタートアップの初期フェーズからマスアプローチまで支援してもらえることを期待し、現在メンタリングを受けています。

–ユーザーにワクワクしてもらう、使いやすくするなど「クリエイティブの可能性」をGRASSHOPPER参加前から重要視されていたのですね。

春山:はい、そして「クリエイティブ」の可能性を感じつつもスタートアップでは人材も資金もカツカツですし、目先の作業で手一杯になるので自分達だけでは対応できないと考えていたので、募集が発表された時にすぐに飛びつきました。メルカリさんが成長した背景にはメルカリ小泉文明さんのクリエイティビティへの理解も大きいと思っています。ただWithTravelのようなゼロイチのタイミングでは、そのことを理解しつつも、資金も人材も投入する余裕がないのが現状です。なのでこのGRASSHOPPERは初期のスタートアップにはとてもありがたいプログラムだと考えています。

–GRASSHOPPER以外に、クリエイティブについて取り組んでいることがあれば教えてください。

春山:私の定義では「クリエイティブ」にはコミュニケーションも含んでいます。カスタマージャーニも含まれる。なのでサービス設計者としては必ずやらなければいけないプロセスだと考えています。ただ、スタートアップとしてチームでゼロから設計して進めていくといつしかチーム内では阿吽の呼吸で「ああ、あれね」で大切な機能が言葉として語られなくなります。そのチーム内の当たり前が利用者からしてみるとわかりづらい説明やユーザー体験になってしまうので、第三者の意見を入れることもコミュニケーション設計、クリエイティブには大事だと考えています。阿吽の呼吸で動けるのはチームとしては最高なのですが、ユーザー体験を作る上ではネックになるのはもどかしい話ですが。

あと、「クリエイティブ」への取り組みとしては、メディアリレーションは積極的に行っています。というのも、メディアの方とお話ししていると、こちらの言葉を「それってこういうことですよね? 」とわかりやすくまとめてくださるので、その言葉をメモし使っていくようにしています。あとは英語ができるのでなるべく多くの海外ニュースや動向を把握すると同時に現地で情報を仕入れるようにしています。

そして「クリエイティブ」はスタートアップの初期の段階から考えた方が良いと思っています。プロダクトを出してから、投資がついてからクリエイティブに力を入れるスタートアップが多いと思いますが、私の場合はプロダクトローンチ前からクリエイティブに力を入れています。クリエイティブについての意識が早ければ早いほど、良いサービスにつながり投資も増え、利用者も拡大すると考えています。

–GRASSHOPPERプログラムを終えた後の目標を教えていただけますか?

春山:WithTravelとしてとてもタイミングが良かったのが、3月上旬のプロダクトをリリースする前にクリエイティブ支援を受けられることです。3月27日のデモデイを目指し、現在はレクチャーと個別相談を積み重ねているのですが、デモデイ後も継続的に支援を受けられればと。弊社は3月にシンガポールオフィスも作りますし、日本はもちろんアジアへのマスプロモーションの支援もしていただきたい。クリエイティブ支援、クライアントの紹介などもしていただきつつ一緒に拡大を目指していきたいです。

GRASSHOPPERではクリエイター視点のアドバイスはもちろん、投資家視点を学びながら進められるので視野が広がってありがたいです。また、マンツーマンでついてくださる電通プロデューサーさんに色々とつなげていただけることも、大きな目標を抱く上ではとてもありがたいパートナーだと考えています。そしてデモデイでも、ご来場者に納得していただけるような成果をお見せしたいと考えています。

前編はこちら

Interview & Text:西村真里子
Edit:市來孝人