BtoB SaaSで直感的に使える日本発のプロダクトを目指す Laboratik/採択企業インタビュー

2019.03.01

電通と多彩なメンター陣による、スタートアップ支援プログラム「GRASSHOPPER」。3月開催予定のデモデイに向けて、1月より第1期のメンタリングが行われている。

並行し、第1期採択企業へのインタビューをスタート、事業内容や当プログラムにおける目標などを聞いていく。今回はチャット解析に基づくエンゲージメント改善ツール「We.」を開発しているLaboratik株式会社 Founder/CEO 三浦豊史。後編では、クリエイティブへの考え方や「GRASSHOPPER」プログラムへの期待について聞いた。

前編はこちら

企業の担当者が頭をひねらなくても直感的に使えるものを

–三浦さんはニューヨーク市立大学芸術学部卒とのことですが、アートの分野ではなく起業を選んだ理由は何ですか?

三浦:ニューヨークに留学していた当初は、アーティスト兼写真家になって自由気ままに生きていこうと思っていたのですが、2001年、大学2年の時にテロがありました。大惨事を目の当たりにしてアートもアーティストも何もできないなと痛感し、将来もっと社会の中で役に立つ人生にしようと初めて思ったんです。

卒業後は向こうのクリエイティブエージェンシーに入ってビジュアルデザイナーをしていました。ビジュアルやデザインだけではなく、その前にビジネス戦略、マーケティング戦略があって、その戦略があってデザインに落とし込んでいく様子を体験し、ビジネスにおける戦略が大事と実感しました。そこで、当時主流になりつつあったネットビジネスを学びたいとGoogleに入りました。

そしてGoogleが急成長している様子を中から見ていて、自分も起業に挑戦したいなと思い今に至ります。

–アートを学んだからこその強みはありますか?

三浦:社員のうち私を含めてデザイナーが3名います。スタートアップは今の時代、エンジニアが中心で、デザイナーは会社が成長してから入れるということが多いですが、私たちは最初からデザイナーを重視する組織作りをしています。最初からデザインが大事だと自分の経験上思っているので、そこは他のスタートアップとは違っているところかなと思います。

使いやすい、わかりやすいものではないと絶対人には理解されないですし、そこに長けているのはデザイナーであるため、最初から力を入れていくというやり方でやっていますし、今後も会社の特徴として追求していきたいなと思っています。

今デザイナーはオランダにもいて、オランダや近辺の国のデザイナーやクリエイターのリクルーティングもやれたらと思っています。引き続き多国籍かつ物作りできる人が中心となる組織作りをしていきたいと思っています。

–「We.」のUIにもこだわっているのでしょうか?

三浦:そうですね。BtoB SaaS と言われる業務向けのサービスは往々にして使いづらいものが多いですが、企業の担当者が頭をひねらなくても直感的に使えるものを目指して試行錯誤しています。

ベンチマークしているのはベタですがAppleです。Appleの製品が誰でも説明書を見なくても使えるように、私たちとしては、あのぐらいのレベルを目標としています。

–クリエイティブへの考え方について、日本と海外での違いは感じますか?

三浦:日本の方がクリエイティビティや美的センスは海外より高いと思っています。一方でBtoB SaaSで直感的に使える日本のプロダクトは非常に少ないので、私たちが日本発のスタートアップとして変えていきたいです。

言語の壁もありますが、使いやすい・見やすい・わかりやすいことは究極的に好かれるポイントだと思います。そこは考え抜いてトライして失敗して繰り返さないとできてこないので、その目標にたどりつけるようにひたすらもがいています。

–GRASSHOPPER応募のきっかけを教えてください。

三浦:今年春から「We.」の本格展開を計画していて、その前にブランディングやマーケティングをバージョンアップしたいと思っていた時にお話を聞いて、応募させていただきました。

–プログラム参加を通じて実現したいことを教えてください。

三浦:アクセラレーターをどう活用するか、何を得られるかは自分たち起業家次第だと思っています。受動的に座っていても助けてくれることはないと思っているので、自分次第、最大限を得られるように行動することが一番ですね。

私たちが作っているプロダクトを理解されたり認知されたりするためにクリエイティブとマーケティングとブランディングを調和させて、お客さまにお伝えしていくことが一番やりたいことです。

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Interview & Text:市來孝人