第1期デモデイ優勝・ムスカに聞く GRASSHOPPERのメンタリングで得られることとは?

2019.07.11

現在、第2期メンタリングプログラムの参加スタートアップ企業を募集中のGRASSHOPPER。今回は、第1期に参加しデモデイ「GRASSHOPPER DAY 2019 SPRING」内ピッチコンテストで優勝した株式会社ムスカ CEO 流郷綾乃にインタビュー。メンタリングプログラムへの参加で何が変わったか、また他のスタートアップにGRASSHOPPERをレコメンドしたいポイントや理由について聞いた。

会社が「動きだす」キッカケを得られたGRASSHOPPER

―デモデイ「GRASSHOPPER DAY 2019 SPRING」内ピッチコンテストでは、強豪スタートアップが揃う中で、見事グランプリに。その後どのような変化がありましたか。

流郷:(他のピッチコンテストに続き)GRASSHOPPERでも賞を頂いたことで、多くの方々にムスカの事業性やSDGsへのフィットなど多くの可能性を認めていただき、改めて我々の事業の社会ニーズを再認識できました。その後は、GRASSHOPPERを最後に国内のピッチイベントには登壇していません。これは、ここまでで自分たちが描いていたことは全て出し切った・次の段階に進みたいということでもあり、私が暫定CEOからCEOとなり、創業者の串間(充崇)が代表から取締役になるという変化のタイミングだったことにも重なっています。

今は、社会からの期待に応えるべく、より早く事業を動かしていきたいと社員全員が思っています。言い換えるならGRASSHOPPERに参加したことが「見せる」フェーズから「動かす」フェーズに変わる起点になったと感じています。

―GRASSHOPPERで得られたものは何でしょうか?

流郷:一番大きかったのは、今やるべきことの細分化の手助けをしていただき、自分たちの考えが明確になったことです。GRASSHOPPERのアクセラレーションの中では、自分たちの思いの再定義を一緒にしていただき、つまずいた時に「何のためにやっているのか」と原点回帰する際のメッセージ性の強い言葉を頂いたと思います。

ムスカは、関わる産業が多岐にわたります。廃棄物、飼料、肥料の産業から、農作物や魚などの1次産業にまでつながっていて、「手前の忙しさから、何から手をつけていけばいいんだっけ」となることも結構ありました。これがGRASSHOPPERのメンタリングを経て私も(取締役COO)安藤(正英)も「あれっ」と思った状態から原点回帰するまでの時間が短くなりました。そして、いま何をすべきか、つまりこれを動かさなければ何も始まらないんだぞ、ということをしっかり明確化出来たので、資金調達自体をストップさせたんです。今はそこ(資金調達)ではなく事業を再定義し「転がす」というレベルまで持っていかなければいけないという結論になったからです。

「私たちが何をやりたかったか」「何を伝えたかったか」「この事業をどうしたいか」というベースの考え方を(GRASSHOPPERのメンターと)一緒に作ることが出来ました。もともと意識の中にあった考えを呼び起こすことが出来て、さらにしっかりとした軸、ベース、土台を頂き、私自身、決断がクリアになったと感じています。

―GRASSHOPPER参加後の反響があれば教えてください。

流郷:ものすごく期待値が上がりました(笑)。新しいお声がけや、お話が止まっていたところから再度お話があったりということが続いています。

「見せ方」「言葉」を作っていくことができるアクセラレーター

―GRASSHOPPERをどのようなスタートアップにおすすめしますか?

流郷:to Cだけではなくto Bにも、全てのスタートアップにおすすめできると思います。一般的にスタートアップには発信力が足りませんが、スタートアップの初期は見せ方によって今後が左右されます。固定観念を持たれてしまった後に、再度見せ方を作り直してひっくり返すのはとても難しいです。モノや技術があり、やっていきたいことも明確だったとしても、伝えたい相手(消費者に対しても事業者に対しても)とつなげていくのはどの事業でも難しいけれどとても必要なことだと思います。数あるアクセラレーターの中でもGRASSHOPPERは、そこを伸ばしていく役割を果たしていると思います。

社内もそうで、技術はあっても、「自分たちは何を目指しているか」が明確化・具現化に落とせていないケースは非常に多いです。スタートアップは特に社内の共通言語や共通認識を作る必要があるのですが、それはまさに言葉の力なのです。

―流郷さんはスタートアップの広報もやられていましたよね。

流郷:はい。PRをやっていた経験から見ても、例えば技術者やマーケッターの間に共通言語がないケースが多いのです。一方で、スタートアップのCEOは技術に自信がある方が多く、その必要性を感じていない人が多い。それらのギャップに気がつかず、結果として疲弊していくのはもったいないことです。

―今後、ムスカで果たしたいことを教えてください。

流郷:ムスカはまだ赤ちゃんみたいな状態です。早く一人前にして、自立して自走する状態の法人にしていきたいと思っています。以前から言っているのですが、私はずっとこの企業にいるとは思っていません。それは中途半端に放り出します、と言っているわけではなく、事業の普及を加速させるために今誰がそのポジションに適任なのか。その上でムスカの今は認知普及を進めなければいけない。それが私の役割だと思っています。創業者の串間は、この事業は自分のものではない、と言っています。私も、この事業は社会のものだと思いますし、事業が固まり、回り始めたら、事業を展開する人間がトップに立つべきと考えています。

事業としても、今は有機廃棄物の部分にフォーカスしていますが、飼料や肥料にシフトしてくると、また違う目線に立って事業を行うことになります。社会の流れやステージに合わせて経営者も、企業としても変化していきます。これからもムスカの変化を一緒に楽しんで頂ければと思います。

Interview & Text:月村寛之
Edit:西村真里子、市來孝人